親子別姓について

政治

選択的夫婦別姓で夫婦が別姓を選ぶと、必然的に生まれる子供は一方の親と親子別姓になります。

そのことについての情報や私見を上げさせていただきます。

子の利益

最高交際版判例で、親子同姓における子の利益について、次のような見解がある。

多数意見は,夫婦同氏により嫡出子であることが示されること,両親と等しく氏
を同じくすることが子の利益であるとする。
平成27年12月16日最高裁判例全文より

また子にとって、親子別姓であることが親子同姓より良い面、利益などがあるかと議論になるが、そういったものは見受けたことがない。
親子同姓であることに別姓にない利益があり、別姓にそのような利益がないのであるから、子の利益という観点で、

親子同姓>親子別姓

は明らか。

選択的夫婦別姓導入の影響

この利益の観点で親子同姓>親子別姓と述べており、親子別姓を生み出す土壌を少しでも減らすべきである。

たが選択的夫婦別姓是非の問題として考えると、選択的夫婦別姓を導入すると考えられる影響は次の通り。(この利益に関わるものに限定しています。)

  • 別姓を求めて事実婚をしている一部が法律婚としての別姓婚をする
    婚姻数の増加別姓婚の増加
  • 同姓婚しかないためやむを得ず改姓する人が改姓しない婚姻を望む
    (相手が別姓婚を望まない場合に婚姻できないリスク発生、婚姻数の減少別姓婚の増加
  • 別姓婚が増える⇒親子別姓の子が増える

婚姻数の増加/減少についてはどちらが多いか、現時点では確実なことは言えない。しかしながら令和3年度内閣府世論調査_ 家族の法制に関する世論調査からある程度絞ることができる。わかる範囲で整理したものを次に示す。

この図から、増加する要因は最大1.05%、減少する要因は0~16.15%であることがわかる。

別姓婚の子について

私が議論しているTwitterのスレでは、次のような意見を見かける。

  • 子の利益を理由に選択的夫婦別姓に反対しながら、親子別姓を生み出す国際婚や離婚、事実婚を許すのは矛盾ではないか。
  • 親子別姓の子供を放置、見捨てるのか

親子別姓の子の利益の観点で同姓より足りないことは確かだが、必ずしも不幸になるわけでない。また不幸な子供に対しては行政より児童相談所などのセーフティネットが用意されており、子供が不幸にならないよう対策はされている。そのため、見捨てるという表現は間違えていると考える。

婚姻についても、離婚は夫婦間が決裂したとき、それでも婚姻関係を続けるより離婚して落ち着いたほうが子の利益の観点からベターな場合もあり、必要なものと考える。

事実婚は必ずしも別姓のためだけの制度でなく、諸事情で法的婚姻の手続きができない場合の実質婚姻関係をもった二人の関係を婚姻と認めるためのもの。そのためこれをなくせば救われない人が発生してしまう。

特に国際結婚は双方の国で婚姻届けをする関係上、日本の都合で別姓婚を禁ずることは基本的にできない。(一部の国は同姓婚あるいは別姓婚を禁じており、日本が一報を禁止する婚姻ができなくなるケースがでる)

こういった国際婚や離婚、事実婚によって親子別姓が生まれるのはやむを得ない事情のものであり、子供が別姓になることや子の利益を損なうことを理解の上でわざわざ別姓を選ぶこととは事情が異なる。

親子別姓については、子の利益の観点から生まれることを最小にする環境にすることこそが、社会全体の幸福の総量を増やすことであり、この不利益がある閾値を超えた場合にはセーフティネットで救済措置をとることでこの不幸を防ぐべきである。

親子別姓による問題

親子関係の確認が困難になる。
問題の起こった一例として、航空機搭乗手続き時に親子であることに疑念が生じる。

仕事のために夫婦別姓を選んだことを説明した、それでも空港職員は納得してくれない… 楽しい旅行で突然起きた事件

登場にに別姓であるがゆえに親子であることを疑われ、事情を説明しても納得してもらえず、人身売買の懸念まで疑われたとのこと。
選択的夫婦別姓導入を主張する人には、選択制は世界の標準というものもいるが、本当に標準で別姓が普通にあるなら、当たり前に発生する親子別姓でこんなトラブルが起こるのだろうか。
それでも、一見別姓を選んだものだけにこの問題が起こるのであれば、同姓を選ぶものには関係ないだろというかもしれない。しかしながらこの問題が気になるのは、別姓親子だけを厳しく審査するのでは不公平のような論調が出てきて、一律厳しい親子関係の確認することにつながらないかということである。そうなれば同姓を選ぶものにとっても選択制導入で負担を押し付けられることになる。
選択的夫婦別姓は同姓を選ぶものにとって、少なくとも利益はなく、あるとすれば不利益が発生するしかないということをよく考える必要があるのではないか。

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